※細胞分裂寿命の延長(がん細胞の不死化)
イラストには、描いていませんが、細胞が分裂する度に、テロメアDNAというものが短縮されてきます。
そして、テロメアが短くなってくると、いずれ細胞は分裂できなくなります。
がん細胞は、あたかも不死化した細胞のように分裂増殖します。
実は、多くのヒトがん細胞では、テロメアを延長させる
テロメラーゼという逆転写酵素
が活性化されています。
p53やRBが失活すると、アポトーシスが回避され、細胞の分裂回数がふえるのでDNAの変異も蓄積され、細胞寿命を制御している
テロメラーゼ遺伝子の変異、抑制分子の失活がおこる可能性も高まります。
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《 まとめ 》
がん細胞は、細胞周期の制御が壊れることで誕生してきます。
その「壊れ」の具体例を、これまで記してきました。
「細胞周期制御の壊れ」は、「がん遺伝子」と「がん抑制遺伝子」の質的、量的な変異によるものです。
「がん遺伝子」と「がん抑制遺伝子」の変異は、細胞を常に攻撃している「化学発癌物質」,「放射線」,「発がん性ウイルス」
により起こります。
これまでに、色々と難しい名前の蛋白質や遺伝子が出てきましたが、イラスト(1)(2)を見ながら、1mくらいの大きな細胞を
イメージして、その中でイラストに描かれた機能蛋白質キャラクターを思い浮かべ、動かしてみてください。
そして、解説(1)(2)(3)(4)を少しずつ読んでいけば、「なんとなく、がん細胞の誕生のしくみが、わかったなあ」
と言っていただけるものと信じております。
Cancer Cell ペーパーモデルの底面に、より簡単にした「がん細胞の誕生メカニズム」を記載しております。 そちらの方もご覧ください。