「癌」として発病するには宿主の免疫監視機能の低下、癌細胞自身が免疫監視を逃れる術を有することが要求される。
それを証明する具体的な事項として
@「癌」の発生が老齢者に多くみられるのは、老化に伴う宿主の免疫監視の低下が因となっている。
A癌細胞膜上の抗原性が低いということも免疫監視を逃れる術となる。北海道大学の
小林らは、癌細胞膜上の抗原が癌細胞自身が生産する酸性多糖類等で被い隠されているため抗原性の
低下が見られるとの見解を出している。
B肝臓癌において、その癌細胞膜上にみられるαフェトプロテイン(ラット肝癌)が免疫抑制効果をもつことが報告されている。
C癌細胞に移植性があることより、その抗原性が低いこと、無ガンマグロブリン等の免疫不全患者に「癌」が多くみられること。
@〜Cの事項が示すように、「癌」は、宿主の免疫監視の低下した状態から発生するのである。
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おわりに (追記:Dec,2010)
この稿で記述してきたことは、癌の研究者でない人には、目に見えていないことばかりで、現実味がない
ように思われますが、「癌細胞は、どのようにして誕生するのか?」
そのプロセスを探ることで、癌治療薬のアイデアが生まれ、新薬ができ、癌治療の道が開けてきます。
《「癌」に罹らない!「癌」と戦う 》ためには、《「癌」というものをよく理解することが重要である》
それは、ゆるぎない真実です。